東京都立両国高等学校・附属中学校の概要

🌟 都立両国(両国高・附属中)ってどんな学校?
東京都墨田区江東橋に位置する東京都立両国高等学校・附属中学校(通称「三高」)は、完全中高一貫制の都立公立校です。1901年に旧制「東京府立第三中学校」として設立され、戦前戦後を通じて厳格な校風と伝統教育を続けてきました。2006年には附属中が開校し、以来、中学入学者のみで高校に進学するシステムとなっています。
「両国」と名が付くものの、校舎は錦糸町駅南口・江東橋エリアにあり、両国駅からは少し離れている点は注意が必要です。
校訓「自律自修」と教育の根幹
本校の校訓は**「自律自修」**。これは、
- 他人に頼らず自分で規律を守る(自律)
- 自ら進んで学ぶ(自修)
という、自主的かつ主体的に学ぶ姿勢を重んじる校風を表しています。
中学1年から作文・論文・読解を徹底し、卒業まで国語力を鍛える「書かせる教育」、中学英語劇や高校での「実践英語」など、国語と英語に力を入れた指導が特長です。
また、土曜授業や補習・長期講習、成績管理もきめ細かく、予備校不要を目指す教育方針を掲げています。
学校の特色・取り組み
✅ 学期・授業体系
3学期制。中学では50分×6コマ授業と「自修タイム」を導入、土曜講習(月2回)で主要科目の強化を図ります。
✅ 小規模クラス編成
数学・英語では「習熟度別クラス編成」を採用し、きめ細やかな学習指導を実施。
✅ 英語力・人文力重視
中学英語劇、両国祭での英語ミュージカル、実践英語授業など多様な英語活動が特色です。
校舎・施設紹介
校舎は歴史を感じる「ヴィンテージ」仕様ながら、エアコン・空気清浄機完備の教室、自習室、PC教室、実験室、調理室、美術室、音楽室、体育館、テニスコート、プールなど充実しています。図書館も蔵書が豊富でテスト前には多くの生徒が利用します。
ちなみに、校門横には芥川龍之介の句碑や「国産マッチ発祥の地」記念碑など、地域・文化に根差したモニュメントも点在しています。
制服・校章・校歌
- 男子は伝統的な詰襟、女子はブレザー。中高別でスカート柄が異なります(中学:ピンクチェック、高校:水色チェック)。2021年から女子スラックス導入。
- 校章は旭日と桜のデザインで「三高」の文字が中央にあり、附属中には「両国」と刻まれています。
- 校歌は吉丸一昌作詞、石原重雄作曲。大地と学びを讃える歌詞が印象的です。
中学入試・合格偏差値
- 募集定員は一般枠160名(男女各80名)、特別枠なし。適性検査Ⅰ〜Ⅲ(作文・資料読解・数理)の合計1,000点満点で選考。
- 偏差値は四谷大塚61〜64、首都圏模試センターでは68と高く、上位層の受検が目立ちます。
- 実質倍率は男子約4.4〜6.5倍、女子約3.9〜6.9倍。近年では倍率緩和傾向あり。
- 合格者の塾占有率ではenaが最多、続いて早友学院が代表的。
行事・部活動の魅力
- 両国祭(文化祭):中高合同。高校は劇やミュージカル、中学は英語劇を披露し、大会出場実績があります。
- 体育祭:応援団に伝統があり、赤・青・黄軍に分かれ、大学応援歌の替え歌が名物。
- 合唱コンクール:区内ホールで実施。学年別にも力の入ったステージが展開されます。
- 部活動も活発で、女子バレー部は中高一貫校大会優勝の成績を残すなど成果を上げています 。
進路実績・学習環境
1950〜60年代は東大合格者数40〜60名の伝統校でしたが、現在も「勉強の両国」と呼ばれるほど学習環境が整っており、自主的に学ぶ文化が息づいています。現在は中高一貫ゆえ高校募集は行われず、附属中からの一貫教育で「予備校不要」を目指す方針がさらに強化されています。
アクセス情報
- JR総武線・東京メトロ半蔵門線「錦糸町駅」南口から徒歩約5〜10分。
- 都営新宿線「住吉駅」「菊川駅」からそれぞれ徒歩10〜14分。
- バス「江東橋」下車すぐ。
まとめ
東京都立両国高等学校・附属中学校は、中学入試から高校まで一貫した文武両道・自主学習重視の教育を行う東京都内有数の公立一貫校です。特徴は以下の通り:
- 校訓「自律自修」を実践する校風
- 国語・英語力の育成に重点を置いた指導体制
- 土曜講習や習熟度別クラスで予備校に頼らない教育
- 伝統ある行事・部活、地域文化とのつながり
- 中高合同で行う文化祭や体育祭、英語劇など多彩な経験
駅からのアクセスも良く、都立公立でありながら中高一貫校のメリットを享受できる環境が魅力です。受験を検討する際には適性検査への対策と「自律的に学ぶ姿勢」が鍵となります。